障害者の雇用促進が進んでいる中で、就労支援に携わる十分なスキルを持った人材の確保が求められています。
そこで、厚生労働省が障害者就労支援士の資格が新設される予定で、まず民間資格として実施され、将来的には国家資格化を視野に入れた計画です。
今回は、障害者就労支援士について、検定試験の概要やメリット・デメリットについて解説していきます。
障害者就労支援士とは
障害者就労支援士は、障害がある方の就労を支援する専門職です。
一人ひとりの特性や就労環境に応じた就労支援計画を作成することや職場への定着支援、関係機関との連携などを行うことが求められています。
現時点では国家資格ではなく、民間資格として新設を準備されており、具体的な運用開始は決まっていませんが、2028年度の開始を目指しているところです。
資格取得に必要な要件
障害者就労支援士になるには、厚生労働省が指定する検定試験に合格する必要があります。
障害者就労支援士の検定試験を受験するには以下の条件を満たさなければなりません。
①障害者就労支援の実務経験が3年以上ある方
②ジョブコーチ養成研修を修了し、障害者就労支援に従事している方
ここでいう障害者就労支援は、「障害者就業・生活支援センター」、「自治体の就労支援機関」、「ハローワーク」、「就労継続支援事業所」、「就労移行支援事業所」などが含まれます。
また、②でいうジョブコーチとは、障害者の職場適応の課題がある職場へ出向いて、障害特性を踏まえた専門的な支援を行う専門職です。
障害者就労支援士の資格を持っていれば、ジョブコーチになるための基礎研修が免除され、すぐ本研修に進むことができます。
資格取得はジョブコーチへのキャリアアップにも活用できるでしょう。
参考サイト
障害者就労支援士とは?役割・受験資格・国家資格化への流れ、まずは民間検定でスタート | 障がい者としごとマガジン
検定試験の概要
検定試験は、学科形式で幅広い知識やスキルが求められます。
現状考えられている試験科目のイメージとしては、就労支援の理念や目的、障害者雇用の現状・施策や、就労支援のプロセス、就労支援機関・専門職の役割と連携、障害特性と職業的課題など多岐にわたっています。
試験の難易度は中級レベルとされており、「障害者就労支援の職種における中級の技能者が通常有するべき技能及びこれに関する知識の程度」が基準となる予定です。
障害者就労支援士のメリット・デメリット
障害者就労支援士にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリット
障害者就労支援士のメリットは、就労支援事業所のスタッフの質を高めることができ、キャリアアップも期待でき、現場で働く人員を増やすことができるでしょう。
また、資格取得の過程で、就労支援に必要な知識やスキルを順序立てて学ぶことができ、実務に活かすことができることが考えられます。
デメリット
障害者就労支援士のデメリットは、まず資格取得にかかる費用や学習にかかる時間の負担が挙げられます。
また、資格取得そのものが目的化されてしまい、支援の質向上よりも資格を取ること自体が優先されてしまうリスクも生じる可能性があります。
さらに、資格制度に沿った支援方法が求められることで、利用者一人ひとりへの柔軟な対応が難しくなることもあるでしょう。
まとめ
障害者就労支援士は、障害者を支える専門職の資格です。
取得することで、専門性を高めることやキャリアアップが期待できる一方で、取得にかかる費用や時間の負担などの課題もあります。
今後は、民間資格で実績を踏まえて将来的に国家資格になることで、さらに就労支援の質と専門性を高めていくことができるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
