就労支援施設は、障害者や難病をお持ちの方の社会参加を支援する施設であり、福祉事業の中でも注目されています。
そんな中で、実際に儲かるのかいう疑問を持つ方もいらっしゃることでしょう。
今回は、就労支援施設の種類ごとの仕組みと収益の現状について解説していきます。
就労支援施設の構造
就労支援施設は、障害や難病などを理由に一般企業で働くことが難しい方へ働く機会を提供する障害福祉サービスです。
主な形態として、就労継続支援A型と就労継続支援B型があります。
就労継続支援A型は、利用者と雇用契約を結んで最低賃金を給与として支払う形式で、就労継続支援B型は、雇用契約を結ばず、作業量に応じて工賃を支払う形式です。
いずれも主な収入源は、自治体からの給付金で、利用者の数や稼働率により収益は左右されます。
A型の収益はどのくらい?
就労継続支援A型は雇用契約を結ぶため、人件費や社会保険料など固定費が多くかかります。
厚生労働省の「令和4年障害福祉サービス等経営概況調査結果」によると、A型の全国平均収支差率は7.1%であり、利益は薄く、大きな利益を生み出すのは難しい状況です。
モデルケースでは、全国平均で年間収入がおよそ4,495万円、支出がおよそ4,366万円となり、差し引いて129万円ほどの黒字になります。
しかし実際は、生産活動による売上が目標に届かない施設もおよそ4割以上存在し、利用者の稼働率が低い場合は赤字につながることもあるでしょう。
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B型の収益はどのくらい?
就労継続支援B型は、雇用契約は結ばず工賃による報酬が支払われるため、人件費負担はA型に比べれば軽くなり、赤字となるリスクはその分低くなります。
しかし、A型に比べると報酬単価は低いので、利益あまり大きくありません。
厚生労働省の「令和4年障害福祉サービス等経営概況調査結果」において、B型の全国平均収支差率は4.6%で、やはりA型に比べても低い水準です。
理想的なモデルケースとして、都市部にある定員20名、利用者17名、1日当たりの報酬が9,500円として、月20日稼働した場合、月間の収入は350万円となるとします。
人件費や施設運営費を含め281万円の支出を差し引くと、営業利益は69万円になり、利益率は19.7%と高めになることもあります。
安定した運営のためには加算獲得や生産活動の拡大によって利益を増やすことはできますが、無理に儲けを出そうすると支援自体の質に影響を及ぼす恐れも出てくるので、注意が必要です。
利益を左右するポイント
A型もB型も利益を出すには以下のような条件がポイントとなります。
利用者数・稼働率の高さ
定員に近い人数で通所・作業をしてもらうこと
加算取得
福祉専門職を配置することや送迎などの加算で収入を増やすこと
生産活動の工夫
高単価の仕事や付加価値のある作業を取り入れること
コスト管理
人件費や施設費などの無駄を抑えること
地域との連携
企業や自治体と連携して安定した仕事を確保すること
A型の場合は固定費が大きく、利用者の人数が多いほど利益が出やすく、少ないと利益が減ります。
B型は固定費が少ないため安定しやすいですが、利益は少なめです。
長期的に安定させるポイント
就労支援施設は、補助金や報酬が安定しているとはいっても、制度の改定や報酬単価の変更で収益は変動します。
長期的に施設を継続させていくには、補助金に頼りすぎず、事業活動で安定した収入を確保する仕組みが必要です。
福祉としての役割を果たしながら、経営面でも安定を保っていく努力が、施設の将来的な存続を左右することになるでしょう。
まとめ
就職支援施設の中でもA型は利益は薄くなりやすく、B型は利益率は控えめですが安定しやすい傾向があります。
利用者の通所率や加算、地域連携、生産活動の工夫が収益に影響し、福祉と経営の両立こそが事業を長続きさせるための鍵となるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
