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障害者の就労支援の現状と課題

障害者の就労支援は、あらゆるサービスで構成されています。

これまでの支援体系は段階的に就労を支える仕組みを持っている一方で、利用者の希望や能力に沿った支援が十分ではないなどといった課題も残っていました。

そこで今回は、就労支援の現状と現場から見えてきた課題について詳しく解説して参ります。

目次

障害者の就労の現状

厚生労働省発表の令和5年「障害福祉分野の最近の動向」によると、現在障害者の人数は約1,160万人です。

2024年3月時点の特別支援学校卒業生約2万人のうち約3割が一般企業に就職し、約3分の1の方は就労支援サービスを利用されています。

また、就労支援サービスから一般企業への就職へ移行された方は増加傾向が見られ、2023年にはおよそ26,000人もの方が移行しました。

20年前と比較すると約20倍にもなっており、障害者の一般企業での就労環境が整いつつあると言えます。

参考サイト

障害者の就労支援対策の状況|厚生労働省

今までの就労支援

就労支援には、訓練や実習を通じて一般企業での就職を目指す「就労移行支援」、雇用契約を結び就労を支援する「就労継続支援A型」、雇用契約はなく工賃で就労を支援する「就労継続支援B型」、生活能力の向上を支援する「自立訓練」といった種類があります。

これらの支援は、児童福祉法や障害者総合支援法に基づいて、市町村や都道府県が行っています。

介護給付で生活を支えながら、訓練等給付で就労に関わる支援を行い、利用者の状態や能力に応じて「自立訓練→就労移行→就労継続→一般就労→就労定着」へと段階的にステップアップできる仕組みを形成しているのです。

現状の課題

では、現状の就労支援にはどのような課題があるのでしょうか。

就労能力の客観的な評価不足

本人や支援員が能力や適性について十分に理解できていないことが多く、適切な支援につながりにくくなっています。

利用の固定化

A型やB形の利用開始後、次のステップへなかなか移行しづらい傾向があります。

支援員の差による影響

本人の希望や進路を引き出すことができる支援員がいるかどうかにより、差が生じやすくなります。

情報提供や選択肢の不足

利用者が自分に合った働き方や職場を選ぶ情報が不十分な場合があります。

支援体制の偏り

事業所の集中や人材の不足によって利用者への支援が均等ではないことがあります。

これらの課題は、障害者が持つ能力や希望を最大限に活かすことを難しくしている要因にもなっており、支援の質や就労の成果にも影響するでしょう。

最近の動向と影響

2024年、「障害者5,000人が解雇・退職」といったニュースが話題となりました。

これは、国が収支の悪い事業所の報酬を引き下げたことが原因で、就労継続支援A型の事業所の閉鎖が相次いだためです。

ただし、すべての事業所が閉鎖されたわけではなく、4割強の事務所は就労継続支援B型へ移行しました。

A型事業所は約半数が赤字経営であり、最低賃金を支払いが難しい事務所も多いです。

一部の事業所では、出勤記録や業務記録の管理が不十分なケースも報告されています。

また、助成金や給付金の受給を目的に開設された事業所もあり、利用者の意欲や希望に添った運営を行う事業所を見つけることが難しい状況になっています。

情報の透明性と選択の自由

障害者の方が自分に合った事業所を選択するうえで、十分な情報が提供されていないことが根本的な問題です。

自治体では公正な運営が求められますが、事業所の運営や支援内容の透明性が不足しているため、利用者にとって最適な選択がしづらい状況にあります。

現場では表面的な情報に頼らずに、現場で起きている本来の課題に向き合う姿勢が求められます。

今後の課題や展望

障害者の就労支援では、現場体制の整備や支援員の確保・育成、利用者への情報提供が今後の重要な課題となってきます。

リモートワークやAIを活用した支援ツールなど、技術面でのサポートも期待できるでしょう。

これによって対人関係に不安がある障害者の方も働きやすい環境へ変化していく可能性が広がります。

まとめ

障害者における就労支援は、段階的な支援で一定の成果を上げながらも、能力評価が不足している場合や利用の固定化、情報提供の偏りなどの課題が残ります。

現場体制の整備や支援員の育成、技術の活用によって、障害者の皆さんが自分に合った働き方を安心して選べるよう、支援体制や情報提供の充実が求められるでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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